Quantum Universe

量子情報物理学を中心とした話題で、気が向いたときに更新。X(旧ツイッター)https: //twitter.com/hottaqu note https://note.com/quantumuniverse

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

量子情報物理学研究会YQIP2014の発表申し込み締め切り1か月前のアナウンス

2014年8月4日から7日に京都大学基礎物理学研究所において量子情報物理学の国際集会を開催する。 http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yitpqip2014.ws/ 現在参加登録及び口頭発表、ポスター発表の募集中。国内外の多くの方々に参加を呼び掛けている。 発表…

時間とエネルギーの不確定性関係と、相対性理論

時間とエネルギーの不確定性関係は、世間で誤解されている側面が強い。 測定時間とエネルギーの測定誤差には不確定性関係があると信じられてたり、そのため短い時間ではエネルギー保存則は破れてもいいと考えられたりしている。 これらは以下の記事でも言及…

トンネル領域で粒子を見つけたら、その足らなかったエネルギーはどこから来たのか?

ツイッター(@hottaqu)で、次の問題を出してみた。 例えば1次元空間で図1のようなポテンシャルの中の粒子を考えよう。 基底状態のエネルギーEは、原点付近のポテンシャルVoより小さい。 しかし、エネルギーが足らないため古典的には粒子の侵入を許さない…

測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない。

量子論で有限の時間ではエネルギー保存則が破れるという間違った説明が様々な大学の授業で教えられているようだ。 特に素粒子や場の量子論の講義の中で、重い粒子が媒介して力を伝達するという部分においてこのような説明がなされているらしい。 この誤解は…

量子エンタングルメントと時間の矢

セス・ロイドさんは、量子メカニックを名乗る、猛烈に頭の回転が速いMITの教授である。 量子情報分野では多くの良いお仕事をされており、また「宇宙をプログラムする宇宙」(早川書房)等のポピュラーサイエンスの本の著者としても有名である。 1988年の彼の…

8月に京大基研で行われる若手量子情報夏の学校

8月の量子情報物理学の基研国際研究会YQIP2014 http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yitpqip2014.ws/ の直後から同じ会場で開かれる、量子情報の若手夏の学校の案内が公開された。 基研研究会「若手のための量子情報基礎セミナー」 http://www2.yukawa.kyoto…

鉛筆とインフレーション宇宙とスクィーズド状態

とねさんの日記の「鉛筆はどれくらいの時間立っていられるか?」という記事に、量子揺らぎとマクロな揺らぎを繋ぐJJサクライの問題が出ていて興味をひいた。 教科書のほうにはアイスピックを例として書かれていたようだが、NHKの番組では鉛筆が登場した…

波動関数の収縮はパラドクスではない。

コペンハーゲン解釈を学ぶ時、一番最初にひっかかるのは「波動関数の収縮」という概念ではないだろうか。 ある量子系を測定して結果を得た途端、その状態は瞬間に別な状態へと変化するという、あの話だ。 古い教科書で学んだ先生方からは、「そんなことは気…